黄金虫
満月の夜はよく虫が降る
丑三つ時の物語
いちばんきれいな女神の魅惑
いっぴきのコガネムシ 月を目指した
闇に一筋光のわだち
ひたすらに高く ひたすらに遠く
満月の夜はよく虫が降る
誰も知らない物語
果てしなくつづく永い道のり
何処かでコガネムシの力は尽きて
ひとつぶの光 見えなくなった
哀れコガネムシ ふわりふわりと
ふたたび地上へ沈んでったとさ
はるか彼方の月の砂丘で
金色のかばねひとつ転げた
月夜の晩に拾ったコガネムシ
どうしてそれが捨てられようか
【阿】
ムシはクールだ
【吽】
中原中也の「月夜の浜辺」がそもそものイメージ。