■2007−02−09
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☆★☆ コマイナーズ・クラブ通信 ☆★☆ 【臨時号】
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先日出した通信の続きです。
2月5日朝7時過ぎ。
公園の芝生には一面に霜が下りていて、朝の光を美しく反射させて
いました。
僕らがテント村に着いた時にはすでに100人はいただろうか。
座り込みの時にお尻が冷えないように地面に布団などを並べる支援
者たち、アルミ製ステップや三脚を抱えてベストポジション探しに
うろうろするマスコミ関係者、台詞をぶつぶつ復唱しながら落ち着
き無くそこらを歩き回るテント村の住人たち。
カメラを持って走り回るS君をつかまえた。
「おはよう。晴れてよかったね。最高の芝居日和やんか。」
「ほんとですよ。寒いのに朝早くからありがとうございます。」
「こんだけ人がいたら大阪市も強制排除なんてできへんのと違う?」
「そうなってくれたらいいんですけどねぇ。」
「いずれにせよ芝居をしっかり見届けるから。」
「はい。期待しといてください。みんな気合い充分っすよ。では!」
特にすることも無かった僕だけど、墨東綺譚の出る幕もなかった。
「おい!誰に頼まれてやってるんだ、止めないか!」
学生の支援者が特設舞台を覆っていたブルーシートを外す作業中、
ステッキを振り上げすごい剣幕で抗議する老人が乱入してきた。
テント村の強制排除に賛成する地域住民が支援活動に対して抗議を
いるのかと思い、即座に学生リーダー格が説得に走った。
ところがよくよく話をしてみると、老人はテント村を破壊しようと
する学生を成敗するつもりだったらしい。
「おー、あんたらとわしは同志か。若いの、しっかりやれよ。」
そう言っておじいさんも輪の中に加わった。
8時過ぎ。
「何あれ、うそやろ!」
との声に振り向くと、ドカジャンに白ヘルメット姿の大阪市職員が
行進してくるのが見えた。
延々と続く長い隊列。ヘルメットだけが不気味に鈍く光っている。
引き続きバリケードを持ったガードマン達。合わせて700人らしい。
「あめんぼあかいな あいうえお・・・」
舞台裏では発声練習がはじまった。
「いいか、とにかく芝居だけでも守るんだ!」
特設舞台の周りを2重に囲んで座り込んでいた支援者グループは身
体を寄せ合ってスクラムをさらに固くした。
数日前から役作りのために金髪にしたというSさん(カメラマンのS
君とは別人ですよ、念のため)は歌舞伎の隈取りをして見事に変身
し、目が合った人に誰彼ともなく抱きついて肩を叩き合っていた。
白ヘル軍団はテント村を取り囲み、ガードマンは手際よくバリケー
ドを2重・3重に張り巡らしていった。
「危険ですので作業エリアからすぐに立ち退きなさい」
警告に従うものは誰もいない。
「おい、早く芝居を始めろよ!」
支援者の中からそんな声もあがる。でも芝居はなかなか始まらない。
ちゃんと芝居を観てもらえるよう交渉中なのだろうか?
しばらくして軍団は数メートル後退。
交渉がうまくいったのかと思わず拍手を送ったけどそれは勘違い。
バリケード内に残るマスコミを出すために下がっただけだった。
テレビカメラは道路を挟んだバリケードの外に移動した。
上空で旋回するヘリコプター、キンキン声で機械的に警告の言葉を
連呼する若い女性職員、にじり寄る白ヘル軍団。
問答無用の喧騒の中でついにお芝居が開演した。
支援者の若い女性がまず舞台に上がった。
「みなさーん、おはよーございまーす。」
(おはよーございまーす、と支援者)
「あれ〜?向こうのみんなはそんな怖い顔してどうしちゃったのか
な?あいさつははっきりと大きな声でしましょうね。ではもう一度。
お・は・よーご・ざ・い・まーす!」
古典的な掴みだけど、僕は笑った。
この芝居を本当に観て欲しかった大阪市職員・ガードマン・マスコ
ミ達が見向きもしないのであれば、せめて自分は最高の観客であり
たかった。そう思うと、サクラではなく本気でおかしかった。
「愛してる!」と叫びながら花びら占いをするおじさん、花マルの
旗を振りかざし疾走する暴走族、割烹着を着たおかん、土を耕す息
子、大阪のえげつないおばはん・・・オムニバス形式でどんどんい
ろんな人が入れ替わる。
隈取り暴走族のSさんが凍り付いてしまったら、舞台脇に待機する
出演者がみんなで黒子のように台詞を伝えていた。
拡声器のマイクを持てば小道具に引っかかり、それを直そうとして
ハウリング。
舞台では絶対やったらあかんNGがここでは愛しく何でもアリ。
「お母さん」
舞台に一人立ち、涙で声を詰まらせていたおっちゃん。
背後から進んでくる撤去作業の音に台詞はほとんどかき消されてい
たけれど、もらい泣きしてしまった。
「ああー!」
無残に壊されていく自分のテントを見て、舞台上からたまらず声を
あげて涙を流す人の姿はもう見ていられなかった。
すぐそばまで来た市の職員が体当たりで圧力をかけてきた。
支援者の中から帰れコールが起こり、芝居は中断。
僕は市の職員と支援者の境界線に立ち、これ以上芝居を妨害されな
いように手を広げた。
「カットカットー!お前らー、この様子をちゃんとカメラに撮って
報道せえよ!」
S君がたまらず舞台に上がり、道路の向こうのマスコミに対してダ
メ出しをしたように見えたけど、もう声は聞こえない。
とうとう2人隣りくらいのところで小競り合いが始まった。
挑発に乗った当事者はすばやくかわして逃げおせたようだけど、代
わりに止めに入った僕が取り押さえられてしまった。
その先はまだ続く。
この通信を読んで、今回の件についてきちんと知りたくなった人は
↓のページから「長居公園テント村強制撤去問題」をクリック。
当日、支援者が撮影した映像がアップされました。必見!
僕と同じようなスタンスで現場を見ていたぼんきちさんのブログ。
彼女のガードマン達に対する説得はとても共感しました。
続きの前に予習。
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